お金が急に必要になったときには、親しい人を頼るしかないという状況に追い込まれることもあります。
ただ、お金の貸し借りというものはどうしても、やりかたによってはそれまでの信頼関係を台無しにしてしまう危険性を生じかねないものです。
そんな事態を招かないためには、どういったところに気をつけるべきでしょうか？
目次
まずは自分自身を信頼してもらう態度をきちんととる
お金を借りることには、日本人の生来の気質や道徳観も影響するのか、「恥」の気分を生じさせることが多いようです。
その感情が手伝って、お金を借りる事情に嘘を織り交ぜたり、うやむやに伝えたりといったことを起こしがちなのですが、そういったときに使う嘘はやはりバレがちですし、相手に不信感をもたれてしまう理由にもなります。
嘘発見器を使わずとも、人は人との会話である程度嘘を推察することができます。
お金を借りようとする親しい間柄の人なら、なおさら相手の感情を察することができるはずでしょう。
包み隠さず、きちんと丁寧に事情を説明する姿勢を持つこと。
まず一番に大切なのは、借りようとしている貴方自身を信頼してもらうことなのです。
そして、言葉遣いも重要になってくるでしょう。
「貸して」という言葉のバリエーションの中にも様々な言い方があります。
下記のような使うべき言葉も考え、対話の場に挑みましょう。
「貸してください」の様々な言い方:文化庁
口約束で済まさずに、借用書を交わす
カードローンなどでお金を借りるときには必ず契約書を交わします。
借りた金額、適用される金利、返済期日とその金額、それらがすべて書面にしっかりと表わされています。
これと同様に、個人同士の貸借においても借用書を交わすようにすることをおすすめします。
書類を残すことによって、返済してもらう意思があることの証明になりますし、交わした約束を残すことができます。
本人同士に万一のことがあったときに他者が状況を確認するのにも役立ちますから、文字にしておくのがベストです。
当人同士が納得できるものでしたら書式はある程度ルーズなものでも構わないので、ネット上のテンプレートを参考にするなどして、思い違いが両者のあいだで起こらないように気をつけて作成していきましょう。
どんな言い訳をすればカドが立たない？パターン別にご紹介
お金を借りるときの説明、言い訳は色々ありますが、場合によってはその言い訳で相手との関係がこじれてしまう危険もあります。
そこで、言い訳として使うのに向いているのかどうかをいくつかのケースごとに見ていきましょう。
「生活が苦しくなった」
親や友人など、誰にでも使いやすい一番ポピュラーな言い訳のひとつです。
光熱費や電話代、税金の納入期限が迫っているため、どうにか助けて欲しい、といった理由でそれほどの高額でなければ、さほど詮索を受けることなく承諾してくれる可能性は低くはないでしょう。
ただし何度も繰り返し毎月のように行っていると、ただの浪費家なのではと思われますから、気をつけないといけません。
「冠婚葬祭で急に必要になった」
社会人になれば割とこのケースはだれにでも起こりうる事態ですので、やはりどんな人相手にも使いやすい言い訳です。
本当の事情を伏せたくてこの言い訳を使う場合には、借りたい相手に関係のない間柄の人物に関しての出費で説明したほうが無難です。
また、借りる人を変えても、あまり同じ対象ばかりを亡くなったことにしたりはしないほうが賢明です。
たとえば「祖父が亡くなった」という言い訳を二度三度使う、というようなことです。
どこで人が繋がっているかもわかりませんし、バレたときには悪印象が強まるばかりです。
「親または親戚が急病で入院費を至急に用立てないといけない」
血縁関係にある人物の事情ということですので、本当のことであるならもちろん親族関係の人から事情を汲み取って貸してくれることもあるでしょう。
ただし本当でないのなら、バレてしまうのは自明の理なので親族相手にこの言い訳は避けたほうがいいでしょう。
友人や恋人相手でしたら、もともと自分の親族について詳しくなければ、事情説明として無理なく通用する可能性は高いです。
「財布をなくした」
同情心を得られ、そして事情の逼迫さを感じてもらえる言い訳ですので、近しい人相手ならすぐにでも貸してもらえるかもしれません。
事情を隠してこの言い訳を使う場合には、そのあとうっかり同じ財布を借りた相手の前で見せたりしないように気をつけないといけません。
使ってはいけないのは「ギャンブル」「投資」を理由にした言い訳
パチンコや競馬などのギャンブルや、流行りの仮想通貨やＦＸ取引の投資話など、「絶対儲かるという話を聞いたから…」、「倍にして返すから」、などという言い訳でお金を借りることは避けるべきです。
本当であろうとなかろうと関係ありません。
貸してもらえない可能性が高いばかりか、人間関係が悪化する危険性もまた高いためです。
そもそも賭け事や投資話に「絶対」はありませんから、自己資金以上にお金を突っ込むことはしてはいけない、という社会常識の話になります。
カードローンに申し込んだのがバレそう!?そんなときにはこう切り返す！
カードローンに申し込んだことを誰にも知られたくないというのなら、いくつかの面に気を付けておかなければいけません。
代表的な３つの場面と、疑われたときの切り返し方の例をあげていきましょう。
在籍確認で会社に電話が…
カードローンに申し込むと審査時にほぼすべての商品で勤務先への在籍確認が電話で行われます。
このときには事前にある程度時間帯を指定することはできることが多いですが、それでも大概ほかの社員が電話を取ることになるでしょう。
この電話は個人名でかけられるため、ローンの申し込みだとバレることはありませんが、何の電話かと問われたら、対外的な印象もあるので正直にローンの申し込みだとは通常明かしたくはないものです。
そこで、こういったときには、「クレジットカードの申し込み審査です」というのが一番順当な言い訳になります。
実際に一部のクレジットカードの審査では勤務先に電話をかけてきて本人確認を行いますから、まず疑われることはないはずです。
もっとも、普段から浪費癖が知れ渡っていたり、お金を誰かに借りているという噂が広がっていれば話は別ですが…。
普段からの個人の人柄も影響してくるので、きちんとした振る舞いを日ごろから心がけたいものです。
郵便物が自宅に届いて…
家族にカードローンを申し込んだことがバレやすいのが、自宅に郵便物が届いたというパターンです。
そもそもカードローンで送付される郵便物にはローン会社の社名表記はされないよう気遣われているのですが、自分あての郵便でも遠慮なく（あるいは不審に感じたら）開封するという同居人は少なくないものです。
封筒を開けられれば「誰かが自分の名前を騙った」とごまかすのは無理のある言い訳ですので、借りたことは認めてまずは黙っていたことを謝罪するのが穏当でしょう。
そのうえで、「少し小遣いを使い込んでしまったが、必ず短期間に返済できる程度しか借りない」などと家計に影響しない範囲、自己責任内で借りていることを相手に伝え、「必ずきちんと返済する」と信用してもらうほかありません。
バレたくないのなら、あらかじめ郵便物が届かないように申込時に確認したり、カードの受け取りを契約機で行うなどの手段を取っておく姿勢が必要不可欠なことですので、肝に銘じておきましょう。
ＡＴＭで姿を見られた!?
銀行やコンビニのATMならともかく、無人契約機で姿を見られたら「借りてはいない」という言い訳は難しいので、問われればまずは事実を認めるのが無難です。
そのうえで、「冠婚葬祭などの不慮の出費が重なって仕方がなく」「今は短期間で返せば無利息で済むから給料の前借りみたいなものとして」「ほんの少しだけ借りた」というような、「だらだら無駄遣いを重ねた結果お金を借りるハメになった」という印象を与えない、すっきりした説明をすると相手の印象もそう悪くないでしょう。
世の中はさほど景気が好転せず、給料もあがらないところも少なくなく、余裕資金がいつでもある家庭が圧倒的多数というわけでもありません。
卑屈になりすぎず、「このご時世だから仕方なく」というある程度さばけた態度でやり過ごすのがひとつのポイントでしょう。
お金の問題はこじれると厄介だから･･･こんなときには言い訳より「誠意」を見せるべき
ここまでお金を人に借りるにあたって、または借りたことがバレそう・バレたときの相手への言い訳や対応について書いてきましたが、なによりも第一に「誠意」をしっかりと見せないといけない場面があります。
それは、お金を約束通りに返済できそうにないとなったときには、その事実を正直に伝えなければいけないということです。
その相手は、個人でも金融業者でも変わりません。
個人に借りていた場合には、その相手にその事実を包み隠さず話します。
少し返済が遅れるというだけでも、必ず伝えます。
自分自身が少しだけだと思っても、相手がそう感じるとは限りません。
遅れる可能性が高まった段階で、きちんとその事実をしっかり伝え、理由と、返済できそうな期日を連絡しましょう。
最初に書いたとおり、お金の貸借はなにかとトラブルを生むものです。
個人同士で行うなら、慎重に慎重を重ねた行動をとらなければいけません。
また、金融業者への返済が遅れそうだというときには、金融業者だけでなく、家族にもその旨を伝えましょう。
ここで黙っていたり、ごまかしていてはいけません。
少しだけだからという甘えた思いは、ずるずると物事を後伸ばしにしがちです。
一切がどうにもならなくなるまで、相手に伝えられなくなってしまうものなのです。
家族にその都度報告することで、返済する気持ちを持ちつづけるための自分への戒めにもなりますし、責任感の礎にもなります。
そして家族との信頼関係を保つためにも、状況の報告は悪いことほどしっかりしなければいけません。
だれに対しても、そしてどんなときでも、人がこの社会で生きていくのに大事なことは「誠意」を持った人間であることを示すことです。
ときに言い訳を必要とすることをお願いしたとしても、自分をきちんとした人間だと認めてもらえていれば、少しの無理は通るものです。
つまり、お金の貸借に限らず、人と人との関係を良好に保つためには、普段の行動から積み重ねた人間性がなによりも大事なのだ、ということなのです。
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