日本政策金融公庫でお金を借りる方法

日本政策金融公庫は事業向け融資だけじゃない！個人でも利用できる2つの融資！
日本政策金融公庫といえば、民間の金融機関からお金を借りることが難しい新規事業や個人事業主、中小企業に対して融資を行っているというイメージが強いのではないでしょうか。

たしかにこうした事業性融資は日本政策金融公庫の代表的な業務の一つではありますが、実は一般個人向けの融資も取り扱っています。
公庫の事業は4つに分かれており、各部門が地域経済や生活の発展のため金融業務を行っていますが、その中で国民一般向けの業務を担当しているのが国民生活事業部門です。

この部門では2つの個人向け融資を取り扱っており、まず1つ目が「国の教育ローン」と呼ばれる「教育一般貸付」です。
幅広い教育関連費用に利用することができ、多額のお金が必要となる高校や大学の教育資金の調達手段として心強い味方となるローンです。

そして、2つ目が「恩給・共済年金担保融資」です。
高齢者などの年金受給者の場合、まとまったお金が必要になっても年齢や働いていないという理由から金融機関での借入ができないというケースが多くあります。
しかし、この融資であれば年金を担保に借入ができるのでいざという時の貴重な資金調達手段として利用することができます。

日本政策金融公庫は政府系の金融機関であるため、一般的な民間金融機関の借入とは異なる特殊性があります。
ここでは、この2つのローンの特徴や申込み方法などを紹介します。

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低金利で様々な優遇措置もあり！国の教育ローンの概要、申込み方法

国の教育ローンは民間金融機関に比べて金利も低く、返済期間も長期で設定できるなど様々な魅力があります。
また、何かと出費のかさむ在学期間中は元金は据え置きして利払いのみという方法も選択できるので無理なく返済をすることができるのも特徴です。
それでは、各条件や利用方法などを見てみましょう。

借入条件

融資限度額は子ども一人当たり350万円まで、6ヶ月以上の海外留学資金の場合は450万円となります。
返済期間は最長15年、金利は固定金利1.76％（保証料別）となっています。
ただし、母子、父子家庭や世帯年収200万円（所得122万円）以内の方、子ども（扶養内）3人以上の世帯かつ世帯年収500万円（所得346万円）以内の方等は、金利は年1.36％、返済期間18年以内といった優遇措置があります。

世帯年収上限

国の教育ローンの申込み要件の一つとして、保護者の世帯年収上限額が定められています。
子1人の場合は790万円（所得590万円）、2人なら890万円（所得680万円）というように、子どもの人数によって上限額は異なります。
条件によっては上限が緩和され、申込みができるケースもあります。

資金使途

入学金、授業料、受験料といった学校納付金はもちろん、敷金や家賃などの住居費用、通学費用、教材やパソコン購入費なども対象です。
更には学生の国民年金保険料などもカバーでき、幅広い用途に使用することができます。
融資の対象となるのは、今後一年間に必要となる費用に限りますので、前倒しでまとめて4年分借入をすることはできません。

保証

国の教育ローンで借入をするためには、連帯保証人をたてるか教育資金融資保証基金という保証機関を利用する必要があります。
保証機関を利用する場合には融資額や返済期間に応じた保証料が必要ですが、交通遺児家庭、母子、父子家庭には保証料が2/3の額となる優遇措置がとられます。

申込み方法

国の教育ローンは一年365日申込み可能です。
受験シーズンである秋冬だけでなく、夏頃から翌年度入学のための受験が開始される入試方法や学校もありますが、こうしたケースでも国の教育ローンなら対応可能です。
インターネットや郵送で申し込みをすれば、公庫の支店に足を運ばず全ての手続きを完了することもできます。

必要書類が全て揃ったら、審査が開始されます。
申込み完了から10日前後で結果が出ますので、審査に通過したら次は契約に必要な以下の書類を揃えて日本政策金融公庫へ提出（郵送または来店）しましょう。

審査通過後、融資金が口座に入金されるまで更に10日前後かかります。
特に受験シーズンは申込者が増加しますので、余裕を持って手続きするようにしましょう。

年金受給者でも借入できる！恩給・共済年金担保貸付の概要、申込み方法

日本で年金を担保に借入を行なっているのは独立行政法人福祉医療機構と日本政策金融公庫の2つの機関だけです。
そして、恩給や共済年金を担保とする融資を行っているのが公庫の融資です。

利用条件

恩給や災害補償年金の受給者、もしくは共済年金や共済組合が支給する厚生年金の受給者が利用対象者となります。
ただし、生活保護受給中や生活保護廃止後５年を経過していない方は利用することができません。

借入条件

融資限度額は250万円ですが、恩給・災害補償年金受給者は担保とする年金の年額の3年分以内、共済、厚生年金の場合は、年額の1.8年分が上限となります。
注意点としては、共済、厚生年金を担保にして生活費を借りる場合は100万円が限度額となること、2034年まで毎年0.2年分ずつ段階的に上限額の引き下げが実施されるので、今後は更に融資限度額が低くなることなどが挙げられます。
金利は恩給・災害補償年金の場合は年0.36%、共済、厚生年金は年1.76%といずれも非常に低い金利で利用することができます。

資金使途

住宅などの資金や事業資金に利用することができます。
また、前述したように100万円までであれば生活資金としても借入可能です。

返済方法

この制度では年金の受給権を担保にして借入を行います。
完済までは契約者の代わりに公庫が支給される年金の全額を受け取って返済に充てることになります。

申込み方法

申込みの受付は日本政策金融公庫または沖縄振興開発金融公庫の各支店のみとなりますので、まずは借入申込書など一連の書類を貰うか取り寄せをしましょう。
最寄りの支店へ提出する際には借入申込書に加え、「支給状態証明書」が必要になります。
この「支給状態証明書」は各公庫に備え付けの「支給状態証明書発行申請書」を支給元に提出して発行してもらわなければなりませんので、借入をしたい方は早めに取り掛かりましょう。
また、借入期間中は「恩給証書」などの年金証書を公庫に預ける必要がありますので、忘れずに持参しましょう。
申込み完了後は、通常の融資と同様に審査を経て融資金が入金となります。
ただし、申込みから融資までは1ヶ月程度かかりますので、すぐにお金が必要という方は融資日をよく確認しておきましょう。

知らなきゃ損！日本政策金融公庫の個人向け融資を賢く利用しよう！

日本政策金融公庫の個人向けの融資はどちらも低金利で借入ができ、一般金融機関にはない優遇措置も用意されているので、条件に該当する方は是非借入先の第一候補として検討してみて下さい。
ただし、必要書類や注意点などは多いので、しっかり内容を把握して賢く利用しましょう。

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