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消費者金融の金利はなぜ高いの?!その疑問に答えます!
消費者金融と銀行、どちらもカードローンでお金を借りることができるという点では同じなのに、なぜ消費者金融の方総じて金利が高いのだろうと疑問に思ったことはありませんか?
どちらもローンカードさえあれば無担保で借入ができますが、消費者金融でキャッシングした場合の上限金利は年率18.0%前後、一方、銀行カードローンでは上限金利は年率14%前後となります。
なぜ、このような金利の差が生じるのでしょうか。
その答えの鍵はそれぞれの「資金調達先」にあります。
銀行には「3大業務」と呼ばれる、柱となる業務があります。
1つ目は私たちに最も馴染みの深い預金業務です。利用者からお金を預かって利子を支払う代わりに、その預金を運用して銀行としての利益をあげています。
2つ目が為替業務です。振込や海外送金などで手数料を得ています。
そして3つ目が融資業務です。
預金業務で預かったお金を、資金を必要とする人や企業に貸付をして利息を受け取っています。
つまり、銀行カードローンで貸出する資金は預金業務で預かったお金から調達しているということになります。
では、預金業務のない消費者金融はどこから資金を調達しているのでしょうか。
実は、消費者金融も銀行からお金を借りて、貸出するお金を調達しています。
そして、もちろんお金を借りる以上は金利がかかっており、5%前後の金利を銀行へ支払わなければなりません。
5%で調達して18.0%で貸し出すなら、かなり利益が出ているのではないかと思いますが、設備費用、人件費、広告宣伝費など事業を運営していくためには莫大な費用がかかります。
これらの費用を差し引いても貸出業務一本で経営を継続できるだけの利益が出るようにするには、どうしても金利を高く設定して貸し出す必要があるのです。
銀行では1%にも満たない低い利子で預金者から資金を調達することができ、更には貸金業務以外にも金融商品などの他の収入源もあることを考えると、消費者金融は非常に厳しい環境の中で事業を行なっているということが分かります。
消費者金融に大打撃を与えた2つの出来事!過払金請求と総量規制
消費者金融を取り巻く環境の厳しさは、貸金登録業者数の変移からも分かります。
2006年には登録貸金業者数は約14,000社程ありましたが、現在では2,000社以下に減っています。
この背景には消費者金融業界に大打撃を与えた2つの出来事が存在しています。
現在、利息制限法でも出資法でも金利の上限は20%と定められており、それ以上の金利を取ると違法となります。
しかし、かつては利息制限法の上限金利は20%、出資法では29.28%と、2つの法律の上限金利にはグレーゾーンと呼ばれる約9%の差があり、利息制限法の上限金利を超えて貸し出しを行なっても罰則が無かったこともあったことから、消費者金融は出資法に依拠した金利設定をしていました。
そのため、以前は消費者金融は現在よりも高い金利で貸出をしていました。
ところが、2006年1月13日、グレーゾーン金利を違法とする判決が最高裁で出されたことにより、過去10年間のグレーゾーン金利を取り戻す動きが民間で過熱しました。
これが、よく耳にする過払い金請求です。
過払い金請求をする人が続出した事によって、過払い金の返還で巨額の赤字を計上する消費者金融が増加しました。
中には数兆円という規模の返還を行った大手消費者金融もあり、消費者金融各社は大打撃を受けました。
このような世の中の動きから国会でもグレーゾーン金利について審議されました。
その結果、2006年には貸金業法が改正され、2010年に施行となりました。
この改正貸金業法では利息制限法と出資法の上限金利が共に20%になり、消費者金融は貸出金利の水準を下げざるを得なくなってしまいました。
更に、この改正貸金業法にはもう一つ貸金業界を大きく揺るがすルールが盛り込まれました。
それが個人に年収の3分の1を超える融資を禁止する「総量規制」です。
これは実質、消費者金融を規制するためのルールであり、過払金返還で大赤字となった上に、総量規制で貸出先も絞られてしまったことから収益の確保も困難になり、経営難に陥り廃業に追い込まれた消費者金融が続出したのです。
ピンチを迎えた消費者金融の打開策!大手消費者金融は銀行の傘下に
危機的局面を迎えた消費者金融はこのピンチを乗り越えるために銀行の傘下に入るという打開策を打ち出しました。
それまで消費者金融は独立して営業を行なっていましたが、アコムは三菱UFJフィナンシャルグループの子会社、プロミスはSMBCグループの子会社となるなど、大手消費者金融のほとんどが銀行と業務提携を行いました。
こうして、誰もが知る大手銀行と提携したことで信用力の強化、イメージアップ、更には財政基盤の安定へと繋げていったのです。
この業務提携は銀行側にとってもメリットがありました。
消費者金融と提携することで、カードローンやキャッシングのノウハウを得ることができ、新たな市場の開拓をすることが可能になりました。
通常であれば新たなサービスを展開するにはシステム整備などの多額のコストがかかってしまいますが、同じグループの消費者金融にシステムを借りたり、ATMにカードローンのシステムを入れるノウハウを提供してもらうことによって、コストをかけずカードローン分野に進出できたのです。
また、消費者金融に銀行の保証業務を委託することで、消費者金融ならではのスピード審査や独自性の高いサービスの提供を実現させました。
消費者金融の打開策は銀行との業務提携だけではありません。
事務の効率化や有人店舗の代わりに無人契約機を展開させることで維持費や人件費の削減をしたり、関連グループ企業と重複する業務を見直すなど、経営を立て直すための様々な努力を行い、利益を出し続ける経営体質を再び取り戻し現在に至ります。
荒波を乗り越えてきた消費者金融。今後も生き残りをかけた更なるサービス向上に期待!
新たな金利水準や総量規制の元でも利益を出せるように、経営の効率化やコスト削減など抜本的な構造改革を行って生き残ってきたのが現在の消費者金融です。
今後も経営を継続するためには利益を出し続けていかなければなりませんが、それには厳しい競争に勝ち抜いて優良顧客を獲得する必要があります。
そのためには、更なるサービス向上や新たなチャレンジを行い、顧客から選ばれる会社にならなければなりません。
現在も顧客の利便性を追求した新たなサービスや商品を各社が次々と打ち出していますが、今後も生き残りをかけて更なる進化が期待できます。
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