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カードローンの基礎知識

2008年以前から借りてる人は要注意!キャッシングのグレーゾーン金利って何?

現在、即日融資や30日間無利息といった便利なサービスで展開している貸金業界。

実は2008年に法改正がされるまでは様々な問題を抱えていたのです。。
この改正のきっかけとなったのは、多重債務者など借金の返済に苦しむ人が増えて社会問題化したことが一因でした。ではなぜ、そのように借金に苦しむ人が増えたのか。その答えは、グレーゾーン金利の存在にありました。

それでは、このグレーゾーン金利とは一体どういうものかについて、簡単に説明していきましょう。

金融業者が守らなければいけない、金利について定めた法律として「出資法」と「利息制限法」のふたつが存在します。

利息制限法とは、利率の上限を定めた法律で、借りた人が法外な利息を請求されないためのものです。
個人だけでなく事業所も対象となる、貸し手に上限を科すことで借りる人を守るための法律です。

対して出資法は、貸し手、つまり金融業者に対して遵守するよう定められた法律です。
上限金利以上の貸付を行った場合には、刑事罰を与えるという実効力を持つものです。

法律改正前は、利息制限法の定める上限金利は15~20%とされていました。その一方で、出資法では29.2%を上限金利としていました。
つまり、この29.2%を超えた場合のみ刑事罰の対象となっていたということです。
そのため、利息制限法の上限金利を超える20%から29.2%までの、罰には問われない、法的に曖昧になっていた金利を設定したローンを販売する金融業者がありました。
この金利のことを、白黒はっきりしないという意味合いで、グレーゾーン金利と呼ぶようになりました。

しかし、この本来利息制限法では許されない高金利に設定されたローンは返済を滞らせるケースを増やすことになり、その結果、多重債務者を多く生み出したり、自己破産まで追い込んだり、といった事態を増加させていきました。そうして社会問題として表層化するようになり、このグレーゾーン金利の是正を含めた法律の改正、整備を促す声が高まりました。

そこで金融庁は2008年に出資法の上限金利も20%に改めることを決定し、2010年の施行をもってこのグレーゾーン金利は撤廃されたのです。

改正貸金業法によりグレーゾーン金利は撤廃!どう変わったのか?

このとき改正された貸金業法の主なポイントは、「総量規制の設定」と「出資法の上限金利を20%までとする」という点でした。

総量規制とは、年収の3分の1以上の貸付を禁じるもので、罰則を伴います。
収入以上に、つまり返済能力以上にむやみに借りてしまわないようにお金を借りるほう、貸すほう双方に規制をかける狙いがありました。これにより、金融業者はこの規制に基づいて営業せざるを得なくなりました。

そして、出資法の上限金利を利息制限法と同率とするという改正です。
これにより、グレーゾーン金利は撤廃され、以降法の元に営業する金融業者はこの利率を超える設定の貸付を行うことはできなくなりました。

この大きな法律改正により、貸付側、借入側双方に「リミット」をかけられるようになり、不用意な借りすぎ、貸しすぎを法により防ぐことができるようになりました。
つまり、この改正により金融業界はひとつの転換期を迎えたのです。

グレーゾーン金利がもたらした「過払い金」とは

見方を変えれば、法改正により、グレーゾーン金利は本来不当な設定の金利だったと認められた、ということになります。
つまり支払う必要のない金利の分まで利息を支払っていたので、当然そのお金は利息としてではなく元金の返済のほうへ充当させなければいけない、ということです。

そこで正しく利息制限法の上限金利で引き直し計算を行うと、多く取りすぎていた利息との差額により借金残高が実は大幅に少なくなっていたり、借金の元金そのものも完済していて金融業者の不当利得となっていた、という案件がいくつも明らかになっていきました。

この金融業者が得ていた不当利得のことを、「過払い金」と称します。
法改正により違法と認められたので、利用者はこの過払い金の返還を要求できるようになりました。

この過払い金請求は、弁護士事務所や法律事務所などのプロを通して手続きを行うのが一般的です。
すでに終わった話を蒸し返したくないという気持ちを持つ人もいるかもしれませんが、余計に支払ったお金を返してもらうのは利用者の正当な権利です。
思い当たるところがあるならば、忘れず請求しておくべきです。

要確認・実は貴方も過払い金請求の対象かも?

では具体的には、どのような場合に過払い金請求の対象となるのでしょうか。

大まかにいうと、法律が改正される2008年以前に契約した一部の消費者金融業者の貸付において、このグレーゾーン金利での契約の可能性があるため、確認を行ったほうが良いとされています。

ただし、法改正の動きを受けて2007年ごろから各消費者金融業者は各自で利息制限法の上限金利である20%以内とするように貸付条件を改定し出していたため、実際に過払い金が請求できるのは2006年以前の契約である場合が多いです。

そのため2006年以前に消費者金融、キャッシング業者から借り入れていた場合には確認を行うべきだ、となります。
もっとも、2006年以前から利息制限法の20%以内の低金利でしか貸付を行っていないところももちろんありますので、すべてのケースがあてはまるというわけでもありません。
また、取引期間が短ければ、金利が違法金利であって引き直し計算をしても過払い金が発生しないこともあります。

いずれにしても、この時期に消費者金融などからお金を借りていて、もしかしたら対象かもしれない、と考えたなら相談を受け付けている法律事務所や弁護士事務所に相談へ行くと良いでしょう。
相談だけなら無料で受け付けているところが多いですし、自分自身で消費者金融に打診しても上手く話を進めていくのは難しいからです。

ひとつ注意しておきたいのは、過払い金請求には時効が設けられているということです。
最後に完済してから10年経過すると、請求する権利が消滅してしまいます。そのため、思い当たるところのある人はなるべく早く行動しなければいけないのです。

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