コロナウイルスの感染拡大で生活に影響が出たのは大人だけではありません。
様々なお店が営業を自粛する中でアルバイト先を失ってしまった学生もいますよね。
両親からの仕送りが十分にあれば良いのですが、中には学費や生活費を自身のアルバイトでまかなっていたという人もいると思います。
学生のうち5人に1人が退学を検討しているというニュースも話題になったので、コロナが原因で退学せざるをえないというケースも実際に出てくるでしょう。
知り合いの大学生にも話を聞いたのですが、アルバイト先は営業しているものの、短縮営業などでシフトに入りたくても、入れないという現状のようです。
特に奨学金を借りている学生、実家からの支援がない学生は、このまま学校へ通い続けられるのか不安だと思います。
そんな中で、新設された「学生支援緊急給付金」の受け付けが開始されました。
「緊急」ということもあり給付までのスピードを重視していて、受付開始から申請の締め切りまでは数週間とかなりタイトなスケジュールです。
もしコロナウイルスの影響で学業を継続できないなら支援対象になる可能性があるので、速やかに申請の準備をしましょう。
この記事では支援対象、給付額、申請の流れなど学生支援緊急給付金の概要についてまとめました。
目次
学生支援緊急給付金とは?支給額と支給要件
学生支援緊急給付金はコロナウイルス感染症による影響で、収入の減った、または失われた学生が学業を継続できるようにするための緊急支援策です。
主に家庭から経済的に自立している学生のための支援ですが、条件を満たしていれば実家から学校へ通っている学生も支援対象になります。
詳しい条件については後述しますが、家庭から自立していて自身のアルバイトなどで学費をまかなっており、コロナウイルスの影響でその収入が大きく減少したため学業の継続が困難になった学生が対象です。
次のような学校が対象になっているので、高校卒業以上の学生で上記の条件を満たしているなら、多くの学生が対象になるといって良いでしょう。
- 国公私立大学、および大学院
- 短大
- 高専
- 専門学校
学生支援緊急給付金の支給金額
学生支援緊急給付金は継続的な支援ではなく、退学という最悪の事態を防ぐための緊急支援です。
給付される金額は住民税非課税世帯の学生については20万円、それ以外の学生については10万円とされています。
この緊急支援策には予算が決められているため、次に説明する要件を満たしていても支援対象から外れることがあるので覚えておきましょう。
学生支援緊急給付金の要件
この支援制度において、支援の対象になるのは次の条件を満たす学生です。
- 家庭から多額の仕送りを受けていない
- 原則として自宅外で生活をしている
- 生活費・学費に占めるアルバイト収入の割合が大きい
- 収入減などにより家庭からの追加支援を期待できない
- コロナウイルス感染症拡大によりアルバイト収入が大きく減少している
- 既存の奨学金などの制度を利用している、もしくは利用を予定している
①家庭から多額の仕送りを受けていない
実家の両親などから仕送りを受けている場合には、支援対象から外れることもあります。
多額に該当する金額の目安は年間150万円以上です。
この仕送りには授業料の支払いも含まれるため、学費+生活費の一部を出してもらっているといったケースでは支援対象になりにくいでしょう。
仕送りに関しては、誓約書に新入生は予定額、2年生以上は2019年の金額を記載します。
また、強制ではなく任意ですが、預貯金通帳の写しを提出することも可能です。
②原則として自宅外で生活をしている
両親の住む実家から学校へ通っているようなケースでは、今回の支援制度の対象にはなりません。
原則として、親元を離れて賃貸マンション、アパートなどで生活している必要があります。
申請の手続きでは、自宅外から通学していることを証明するための賃貸借契約書の写し、家賃の支払い履歴を確認できるものなども提出します。
ただし、「原則」とされているのは、実家暮らしであっても経済的に自立しているような場合には条件を満たすケースもあるためです。
③生活費・学費に占めるアルバイト収入の割合が大きい
前年度のアルバイト収入(2020年度の新入生は今年度の予定額)を申告し、生活費と学費に占めるアルバイト収入の割合が計算されます。
その割合が大きいほどコロナウイルス感染症による影響を受けやすく、支援の必要があると判断されやすいでしょう。
実家からの仕送りと同様に、1年間の金額を誓約書に記載します。
アルバイト先が雇用調整助成金の支援対象で、休業手当の支払いがある場合には、その手当もアルバイト収入に含まれます。
④収入減などにより家庭からの追加支援を期待できない
コロナウイルスによりアルバイト収入が減ったとしても、家庭からの支援を受けられるのであれば、まずはそちらが優先されます。
ただ、コロナによって学生本人だけでなく、家庭の収入も減少したというケースは多いですよね。
その場合には、家庭からの追加支援を期待できない事情を申告するなどの必要があります。
申請書の「申し送り事項」の欄に、その事情を記載してください。
もしくは、コロナウイルス関連の別の支援制度を受けていて、その受給証明書を提出できる場合には、それを必要書類として提出しましょう。
⑤コロナウイルス感染症拡大によりアルバイト収入が大きく減少している
コロナウイルス感染症により、実際にアルバイト収入が大きく減ったというのも条件の1つです。
「大きく減少」は前月比50%以上の減少を指します。
2020年1月以降でアルバイトによる収入が大きく減少した月を当月として、その月の収入が前月比の50%以上減少している必要があるのです。
その減少を確認できるアルバイト先からの給与明細、または預貯金通帳の写しを提出してください。
⑥既存の奨学金などの制度を利用している、もしくは利用を予定している
修学支援新制度などの既存の奨学金制度において、すでに奨学金を利用している、もしくは利用を予定していることも条件の1つです。
具体的には、次のいずれかの条件を満たしていないといけません。(①、②に関しては、今後、申請予定の方も対象になります。)
- 修学支援新制度の区分I(住民税非課税世帯)の受給者
- 修学支援新制度の区分II・Ⅲ(住民税非課税世帯に準ずる世帯)の受給者であり、無利子奨学金を限度額(月額5〜6万円)まで利用している
- 世帯所得が新制度の対象外であり、無利子奨学金を限度額まで利用している
- 要件を満たさないため新制度、または無利子奨学金を利用できないものの、民間の奨学金など申請できる支援制度を利用している
学生支援緊急給付金は留学生も申請できる?
日本の大学にも多くの留学生がいますが、留学生が学生支援緊急給付金を申請する場合には、先ほどの⑥「既存の奨学金などの制度を利用している、もしくは利用を予定している」に代わって次のような要件があります。
- 学業成績が優秀であること(前年度の成績評価係数が2.30以上)
- 出席率が8割以上であること
- 仕送りの平均が月90,000円以下であること(入学料・授業料を含まない)
- 在日している扶養者の年収が500万円未満であること
その他の要件については一緒です。
留学生も要件を満たしていれば給付金の申請ができるので安心してください。
学生支援緊急給付金の申請方法
学生支援緊急給付金は、国からの補助金を日本学生支援機構(JASSO)が学生に対して支給しますが、申請は各大学などを通して行います。
LINEから申請できる場合もありますが、学校によって対応状況は異なります。
そのため、詳しい手順については通っている学校ごとに確認するようにしましょう。
また、対象者に定員があるため、先ほどの条件を満たしていても給付を受けられないケースもあるので注意してください。
以下が学生支援緊急給付金の大まかな支給までの流れです。
- 申込書類の作成
- 必要書類を学校へ提出(締め切りに注意)
- 学校内での審査
- 学校側から日本学生支援機構へ推薦者リストを提出
- 支援対象学生への給付金の支給(銀行振込)
学生支援緊急給付金を申請する場合には、申請書と誓約書などの書類を在学している学校に対して提出し、学内で「制度の要件を満たしているか」、「支援の対象とすべき十分な理由があるか」などを基準に選考が行われ、推薦者のリストが作られます。
要件を満たしていることに加えて、学内での選考もあるのです。
そして、その推薦者リストをもとに日本学生支援機構から対象学生に対して給付金が支給されるという流れになります。
学生支援緊急給付金の申請期限はいつまで?
学生支援緊急給付金の申請は、おおむね6月上旬までに在学している学校へ書類を提出する必要があります。
申請の受付開始が2020年5月中旬からなので、スケジュールはタイトです。
必要な人はすぐに手続きを開始した方が良いでしょう。
先ほど流れを確認しましたが、学校によって必要書類の提出期限が異なるので注意してください。
この期限を過ぎてしまうと、学内での選考対象から外れてしまいます。
また、インターネット経由で書類を提出できる場合もありますが、郵送などでの提出とは締め切りが異なるケースもあるようです。
必ず通っている学校の締切日時を確認して、それに間に合うように手続きをしましょう。
学生支援緊急給付金は2回目の推薦もある?
2020年の6月上旬に1回目の推薦は締め切りとなりますが、今回、申請しなかった場合には2回目の推薦時に申請することが可能です。
今のところ、学生支援緊急給付金は2回の推薦が予定されています。
ただ、この2回目の推薦時期については、スケジュールの公表がまだ行われていません。
どうしても給付金の支給は遅れてしまうでしょうが、今回申請できなかった人は、2回目の推薦時に申請すると良いでしょう。
【まとめ】学生支援緊急給付金の申請は学内での締め切りに注意!2回目の推薦もあるので最新情報をチェックしよう
学生支援緊急給付金は通っている学校へ必要書類を提出し、学内での選考を経て、学校が作成した推薦者リストを日本学生支援機構へと渡します。
その後、機構から対象学生に給付金が振り込まれるという流れなので、一般的な奨学金などと比べるとかなりシンプルで、スピードを重視していることがうかがえます。
ただ、定員が決まっているということもあり、この学内での選考に落ちてしまうというケースも出てくるでしょう。
その判断は学校に委ねられますが、今回は1回目の推薦で、2回目の推薦も予定されているので安心してください。
1回目に申請できなかった人は、2回目の推薦時に手続きをしましょう。
まだ具体的なスケジュールは公表されていませんが、詳細が決定したら文部科学省から各学校へも通知される予定です。
情報は文部科学省のホームページでも閲覧できるので、次の推薦を考えている人は最新情報をチェックし、各学校で決められている書類提出の期限内に手続きを済ませてください。
緊急事態宣言が解除され、徐々に営業を再開するお店は増えてきていますが、以前と同じような生活に戻るのはまだまだ先になるでしょう。
既存の奨学金や、自治体、学校単位で独自のコロナ関連の支援制度を創設しているケースもあります。
学生支援緊急給付金のように貸し付けではなく、給付の制度も多いので、利用できる制度はないかしっかりと情報収集することが重要です。
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