離婚後も住宅ローン控除を受けるために、知っておくべき注意点

住宅ローン控除額は借入残高の1%分

そもそも住宅ローン控除とは、住宅借入金等特別控除というのが正式な名称です。

住宅を購入したら住宅ローンを組んで返済していくのが一般的でしょう。

住宅ローン控除は始めの年に確定申告で手続きをするだけで10年間適用されます。

ただし税務署から毎年送付される「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」と、借り入れた金融機関から発行される「残高証明書」を年末に提出することが必要です。

控除額は年末時点での残高の1%分で、その年に払った所得税が返ってきたり来年分の住民税が減額されたりします。

この制度の要件は6つあります。

まず年収からいろいろと天引きされた後の合計所得金額が3,000万円以下であることです。

2つ目はローンの返済期間が10年以上あることで、省エネ改修促進税制やバリアフリー改修促進税制である場合は5年以上あることと決まっています。

3つ目は新築もしくは購入する床面積が50平方メートル以上あること。

4つ目がローンの返済者の自宅であること。

そして5つ目が中古住宅の購入の場合は耐震性能が備わっていることで、最後がリフォームの場合増改築に100万円以上がかかった場合となっています。

平成21年2月より前は、夫婦の住宅が共有名義の場合、離婚後はこの制度の対象外でした。

これは適用範囲が住んでいる1つの住宅のみだったためで、離婚時に共有部分を追加してもその部分が2つ目の住宅の取得と見なされていたのです。

しかし、これに疑問を感じた方が審査請求を行ったところ、裁決により適用範囲が見直されました。

離婚後も住宅ローン控除を受けるためには

離婚時に夫が妻に慰謝料として住宅を受け渡す場合が多いですが、住宅ローン控除を引き続き受けるための要件があるので離婚前によく確認しましょう。

住宅ローン控除の決まりでは、離婚後もローンの返済者がそのまま住宅に住み続けないと控除を受け続けることができません。

つまり住宅が妻の名義になってしまうと受けられなくなるということです。

しかし妻の名義で住宅ローンの借り換えを行えば問題はありません。ただし借り換えの際に10年以上のローン返済期間が必要です。

加えて住宅を取得した日より前の25年以内に建った住宅であるか、かつ耐火建築物以外は20年以内であるかという条件があります。

この住宅を取得した日というのは、離婚時に自宅の所有権を持った日ということです。

それから夫婦間での譲渡でも控除が受けられないので、自宅の所有権を移すのは離婚届けを提出した後にしましょう。

また離婚時の財産贈与による所有権の移転ではなく、財産分与でなければいけません。

財産分与による所有権の移転を証明できるように、離婚公正証書を作っておくと安心です。

所有権を移す際には住宅ローンを借り入れた金融機関の承諾を得ることも忘れてはなりません。

住宅ローンの借り換え時にはもちろん相談が必要ですし、元配偶者に賃貸で貸すことは許可されません。

金融機関の承諾を得ずに勝手に手続きを進めると、ローンの一括返済を請求される恐れがあります。

この他にも要件があるので、お住まいの地域の税務署で詳しい説明を受けると確実です。

新たな住宅ローンを組むときに求められるものとは

妻が新たな住宅ローンを金融機関との間で契約を結べるかどうか、というのも大事なポイントでしょう。

住宅ローンを新たに妻が組む場合、最低限の条件が5つあります。

1つ目は勤務実績がローンの基準を満たすものであるか、またローン借入額に応じた年収があるかです。

2つ目は住宅の売買に第3者を挟んでいることで、売買契約書に不動産会社の仲介判を押してもらう必要があります。

これは身内での売買に対して融資をしたくないという金融機関の本音があるからでしょう。

3つ目は不動産仲介会社から融資の申し込みが行われているかです。

ローンの審査は第3者の専門家が始めから介入していることで有利に運んでいきます。

都市銀行などは特に審査が厳しいので、専門家の説明があると銀行員の反応が違います。

4つ目は不動産の時価が残債より多いかです。これは住宅ローンの融資額の基本が不動産の時価以下だからです。

最後の5つ目は夫婦の離婚が成立しているかで、成立していないと融資を受けることは難しいでしょう。

住宅ローンの名義変更の手順は以下の流れになります。

  1. 妻が夫より不動産を買うという売買契約を結ぶ
  2. その契約を基に妻が新たな住宅ローンを契約する
  3. 妻が売買代金として住宅ローンで借り入れたお金を夫に払って前の住宅ローンを完済する
  4. 住宅の所有権移転をして名義変更が完了

名義変更した後は住宅ローン控除額が始めに確定申告をしたときと違ってくるので、また妻が新たに確定申告しましょう。