バブル期のローン
住宅ローンの金利を左右するのは、市場の景気と金融機関の方針です。
特に、市場の動きに活気がある好景気の状況下においては、預金の利息も高くなっている反面、融資における利率もかなり高くなっていました。
バブル期においては、最盛期の金利は8%となったこともあるほど高利でしたので、マイナス金利の時代には1%前後の利率で融資が受けられることを考えると、利息だけでもかなりの負担となっていることがわかります。
しかし、バブル期は利息が高くても経済に活気があったため、昇給やボーナスなどによる収入のアップも見込め、高利であっても住宅を購入する人は多かったです。
むしろ、今後も不動産の価値が高くなると考えられていた時代ですので、住宅を購入することが一種のステータスとなっており、資産のつもりで分不相応な金額の高級住宅であっても、あまり余裕のない返済計画で積極的に購入していました。
その後バブルが崩壊し、不動産の価値が著しく下がっただけでなく、高利のローンの返済義務も残されたわけですが、急激な変化に対応しきれない人も多く、ローンの支払いを滞納した結果、住宅を手放したり破産したりするケースも増加していました。
現在でも当時の契約のままでローンを返済していた人が残っており、大きな負担を強いられています。
このように、当時はそれほど負担が大きいと思われなかったバブル期の住宅ローンは、現在の利率から見ると非常に負担が大きく、急激な不景気に見舞われたときには大きなリスクが伴うことがわかります。
現在のローン
一方、ゼロ金利、マイナス金利という言葉も耳にするような時代になり、現在では住宅ローンの金利はそれほど高くないです。
景気がまだ回復しているとは言い切れない状況ながらも、ローコスト住宅やフルローンが可能な金融機関、預金連動型のローンなどのさまざまな工夫により、以前よりも気軽にマイホームを購入できるようになりました。
それに伴って金利も徐々に下がり、一昔前は2~3%程度であった利率はついに1%を切るところまで下がっている影響で、現在ではかなりローンが組みやすくなっており、若い年代の人でもマイホームの購入者が現れています。
一方で、金融機関も積極的に住宅ローンの口数を増やすため、優遇金利を付けるようになっています。
ネット銀行による低金利の商品も登場してからは、住宅ローンを申し込むときの選択肢も増えていますし、オンライン上でシミュレーションや申し込み手続きができるようになりましたので、申し込みだけでなく、借り換えなども気軽に行なうことができるでしょう。
返済のシミュレーションは金融機関の窓口だけでなく、インターネット上で借入額や固定金利の期間、毎月の返済額、完済までの期間などの必要情報を入力することで簡単にはじき出せるようになりました。
おかげで、複数の金融機関の比較も容易で、より条件のよいローンを見つけやすくなっています。
35年かけて返済する商品などもありますので、若い年代から長期のローンを組んで、毎月の負担賃貸住宅の家賃程度まで減らし、ゆとりのある返済をしている人も多いです。
バブル期のローンの対策
このように、バブル期と現在ではローンの内容も大きく変化しています。
現在、バブル期、もしくはそれに近い時期で高い金利で返済を続けている人は、この際借り換えを検討してみてはいかがでしょうか。
バブル期まではいかなくても、現在の金利よりも数%高い利率で借りている人の場合、かなりの確率で負担を減らすことができます。
一般的に、借り換えをしてメリットある目安としては、10年以上返済期間が残っており、残債務が1,000万円以上、金利が借入時よりも0.3%低くなっているときといわれています。
ただし、返済期間がこれよりも短かったり、残債務が少なくなっていたとしても、金利が数%も違えば、かなりの確率でトータルの負担額を減らすことができるでしょう。
オンラインで調べることもできますし、窓口に行けばシミュレーションも可能ですので、借り換えをしてメリットがあるかを相談してみましょう。
なお、借り換えをするときには、事務手数料や保証料、印紙代などが新たに必要になります。
他の金融機関に乗り換えるときには、抵当権の抹消と設定の登記費用も掛かりますので、これらも計算に含めなければいけません。
また、バブル期に借り入れをした人の場合、年齢などで融資を拒否される可能性もあります。
まずは残債務を把握して、現在の契約と同じ期間で金利を変更してもらった場合、どれくらいの負担になるのかを調べてもらいましょう。
借り換えを他行で行うときには担当者から引き止められることもありますが、他行のシミュレーションを見せて交渉するのもよいでしょう。