普段、スマホ決済を利用しているという人もたくさんいますよね。
私も楽天ペイやLINE Pay、PayPayなどいろいろなスマホ決済を使っているのですが、こんな経験をしたことはありませんか?
「えっ、この店、◯◯ペイしか使えないの?」
以前に比べるとスマホ決済ができるお店は増えていますが、店舗によって対応状況はバラバラです。
そのため、「いつも利用しているスマホ決済がこのお店では使えない!」なんてこともよく起こるのです。
そんな状況の中、スマホ決済で使用されるQRコードの統一規格が誕生しました。
その名も「JPQR」!
これは一般社団法人キャッシュレス推進協議会が2019年3月に策定した統一規格で、名称に関する詳しい説明は見つからなかったのですが、おそらく日本(Japan)のQRコード規格という意味だと考えられます。
ちなみに、総務省の「JPQR」普及事業公式ホームページでは、次のように説明されています。
国内の決済サービスが個別に発行していた「QRコード/バーコード」の規格を統一化して、ひとつのQRコード/バーコードである「JPQR」にまとめる取り組みです。
このJPQRという規格がどんどん浸透していけば、徐々に「◯◯Payには対応しているけど、△△Payは利用できない」という状況は減っていくでしょう。
今回は、このJPQRとはどのようなものなのかについて、導入する店舗だけでなく、私たち利用者の目線からも説明していきます。
目次
QRコード決済の統一規格「JPQR」とは?
現在、QRコードを利用するスマホ決済には、LINE Pay、楽天ペイ、d払い、PayPay、メルペイなどとてもたくさんの種類があります。
ですが、これらはバラバラの規格であるため、事業者からするとスマホ決済の導入に手間がかかっていました。
そこで、スマホ決済で使用するQRコードの規格を統一して、より使いやすいサービスにしようというのが「JPQR」普及事業なのです。
総務省 統一QR「JPQR」普及事業 公式ホームページより
総務省を中心に日本政府によって推進されている事業であり、2019年度は5つの県(岩手県・長野県・栃木県・和歌山県・福岡県)で検証が実施され、2020年6月22日より全国の導入希望店舗がインターネットから申し込みができるようになります。
QRコード決済の規格が統一される利用者にとってのメリット
JPQRの導入は店舗側が行うことなので、スマホ決済を利用する私たちが特別しなければいけないことはありません。
ただ、JPQRが普及すれば、私たち消費者にも多くのメリットがあるのです。
- お店ごとに対応しているQRコード決済を調べる必要がなくなる
- 店舗提示型コード決済での支払いがスムーズに
お店ごとに対応しているQRコード決済を調べる必要がなくなる
スマホ決済のQRコード規格がバラバラだと、様々なスマホ決済のサービスを店舗に導入するのは手間がかかります。
そのため、どうしても店舗ごとに対応しているスマホ決済、対応していないスマホ決済が出てくるのです。
しかし、JPQRが普及すれば店頭に設置されるQRコードは1つで良くなり、今よりも1つの店舗で多くのスマホ決済サービスを導入しやすくなるでしょう。
そうなれば、私たちが家を出る前やお店に入ってから対応しているQRコード決済サービスを調べるという必要性は減るかもしれません。
JPQRを導入しているお店は、店頭のPOPやステッカーなどで確認できます。
総務省 統一QR「JPQR」普及事業 公式ホームページより
POPやステッカーには店舗ごとに対応している決済サービスのロゴも入るので、よく行くお店の対応状況などはそれらで確認するようにしてください。
店舗提示型コード決済での支払いがスムーズに
QRコードを利用したスマホ決済には、自身のスマホ画面をレジで読み取ってもらう方法、店頭に設置されているQRコードを自身のスマホで読み取る方法の2種類があります。
そして、今回のJPQR普及事業で店舗側が申し込めるのは、後者の店頭設置のQRコードを読み取るタイプです。
このような決済方法を「店舗提示型コード決済」(MPM)といい、お店側はレジなどに統一規格のQRコード1枚を置くだけで複数のスマホ決済に対応できます。
ユーザーからしても、設置されるQRコードは1種だけなので分かりやすく、よりスピーディにスマホ決済できるようになるでしょう。
- 各スマホ決済アプリで店頭設置のQRコードを読み取る
- 支払い金額をスマホに入力する
- 金額を確認の上、「支払い」ボタンを押す
- 決済完了画面をスタッフに確認してもらう
JPQRを読み取るのは、いつも利用しているスマホ決済のアプリでOKです。
専用のアプリはなく、店舗にJPQRが導入されても特に私たちが何かを準備する必要はないので安心してください。
JPQRは店舗(事業者)側にもこんなメリットが
JPQRのメリットについて消費者面線で確認してきましたが、店舗(事業者)にとっても導入を検討すべき理由はたくさんあります。
- 店舗提示型のQRコードが1種類になり管理も楽になる
- 複数のスマホ決済サービスに一括申込できる
- マイナポイントにも対応予定で集客力アップ
まず、JPQRに年会費や初期費用はかかりません。(決済手数料と入金手数料は必要です。)
すでに店舗でスマホ決済を導入している場合も、JPQRでまとめることが可能です。(決済手数料率が異なる場合もあります。)
そのため、以下は、これからスマホ決済への対応を考えている店舗だけでなく、すでにスマホ決済に対応している店舗にとっても共通のメリットになります。
「JPQR」普及事業の事業期間は2021年3月末までですが、店舗からJPQRへの申込みはそれ以降も可能です。
また、事業期間終了後も、店舗が解約しない限りは継続してJPQRによるスマホ決済を利用できます。
店舗提示型のQRコードが1種類になり管理も楽になる
JPQRであれば、事業者側は複数の決済サービスを同時に申込みできます。
そのため、サービスごとに導入の手続きをする必要はなく、JPQRには事務手続きの負担を軽減できるというメリットもあるのです。
さらに、JPQRに参加しているスマホ決済サービスなら、お店に設置するQRコードは1種類で良く、管理の手間が軽減され、店舗でのスマホ決済への対応をよりシンプルにすることができます。
JPQRでは、専用の読取端末も不要なので、事業者側もレジでの決済に手間取ることはないでしょう。
スマホ決済に対応しているお店はどんどん拡大していますが、「導入や運用が面倒そう…」だと感じて、躊躇しているケースも多いと思います。
JPQRなら導入も店頭に設置するQRコード1枚と簡単で、レジでの対応も簡素化されていて事業者側の負担になりにくいのです。
複数のスマホ決済サービスに一括申込できる
以前までは、JPQRのトライアル申込(先行受付)が行われていて、その際は紙による郵送受付でau PAY、d払い、メルペイ、ゆうちょPay、LINE Payの5社を一括申込できました。(トライアル申込はすでに全日程を終了しています。)
そして、6月22日より全国からのWEB申込みの受付けを開始する予定で、先ほどの5社に加えて、次のようなスマホ決済サービスへの一括申込も可能になります。
- atone
- OKI Pay
- Union Pay(銀聯)
- commoney
- J-Coin Pay
- はまPay
- FamiPay
- PayPay
- ほくほくPay(北陸銀行・北海道銀行)
- Money Tap
- YOKA!Pay
- 楽天ペイ(アプリ決済)
JPQRに参加するスマホ決済サービスは今後増える予定です。
それぞれの対応時期や手数料率などに関する現時点での情報は「JPQR 参加予定決済サービス⼀覧(6⽉5⽇時点)」から確認できます。
一括申込書でJPQRのサービスに申し込んだ場合の限定特典で、Alipay、WeChat Payへの申込みも可能になります。
マイナポイントにも対応予定で集客力アップ
以前このサイトでもマイナポイントについて紹介しましたが、覚えていますでしょうか?
簡単にマイナポイントを説明すると、マイナンバーカードを所有している人は、事前にマイナポイントの申し込みを行うことで、最大25%(上限5,000円相当)ものポイント還元が受けられるというものです。
JPQRもマイナポイントに対応する予定なので、店舗にとってはマイナポイントに対応した決済方法を導入することで集客力アップにも繋がるでしょう。
【まとめ】決済用QRコードの統一規格「JPQR」でキャッシュレス決済は進むのか?
数年前と比べるとスマホ決済を利用できる場所は本当に増えましたよね。
コンビニであればメジャーなスマホ決済にはほとんど対応していますし、個人店でもスマホ決済を利用できるお店も増えています。
今後、統一規格であるJPQRが普及していけば、店舗にとってQRコードを利用したスマホ決済導入のハードルは下がるでしょう。
つまり、統一規格によってよりいっそうスマホ決済が普及する可能性があるのです。
JPQRのサービスが本格的に開始されれば、「すでに対応していたお店で利用できるスマホ決済の種類が増える」、「これまでは対応していなかったお店でもスマホ決済できるようになる」ことが期待されます。
キャッシュレス決済を普及させるために様々な事業が行われていますが、JPQRもその1つになります。
キャッシュレス・ポイント還元事業やマイナポイントなどのように、直接的に消費者が恩恵を受けるものではないものの、決済用QRコードの規格統一でキャッシュレス決済の普及が進めば今までよりも生活は便利になりそうですよね。
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