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住宅ローンの金利

JA住宅ローンってどんなサービス?金利やプランを徹底解説

JA住宅ローンとは

JA住宅ローンとは、農協が運営している銀行「JAバンク」で取り扱っているローンです。「とくとくプラン」「あんしんプラン」といったプランに聞き覚えはあるでしょうか。

一般的な銀行ローンとは異なる「農協のローン」となりますが、テレビCMで見るなどして、農協組合員以外でも知っている方は多いと思います。

ここで「JA」「農協」の部分について、もうちょっと詳しく説明しておきますね。農協とは農業協同組合といって、全国の農業関連を中心とした組織、協同組合のことです。農業協同組合を英語でJapan Agricultural Cooperativesというので、頭文字をとって「JA」と呼んでいるわけです。

JAでは農産物の販売をはじめ、様々な事業に取り組んでいます。「JA住宅ローン」を提供するJAバンクによる金融事業もその一つになります。

特徴

JA住宅ローンが特に一般的な銀行ローンと異なる点として、以下が挙げられます。

  • 組合員だけが利用可能
  • 保険や公共料金引き落としの制約あり
  • 原則、担保と保証料があれば保証人不要
  • 審査期間が長い
  • 独自の審査基準
  • 全国で金利などの条件が統一されていない
  • 大手銀行に比べ低金利のプランが多く、特に正組合員は審査・金利でメリット多

まず、JA住宅ローンを利用するには「正組合員」か「准組合員」になる必要があります。

農業を営んでいない一般の人は正組合員にはなれないので、准組合員になることになります。准組合員になるには1万円ほどの出資金が必要です。

他にも保険の指定や公共料金引き落としをJAバンクから行うといった制約もあるので、あらかじめ確認しておきましょう。

保証料や保証人について、JAが指定する保証会社の保証料を払う代わりに、保証人は原則不要となります。

また、審査期間が長いという特徴もあります。事前審査・本審査の2段階で行われ、さらに「非営利団体の農協」という安心感をはじめとするさまざまなメリットから申し込み人数が多いことも手伝ってか、審査期間が長くなることが多いようです。

申し込みを考えるときは1か月~1か月半ほど見込み、余裕を持ったスケジュールを立てましょう。

そして一般銀行とは少し異なる独自の審査基準があり、しかも地方ごとに異なります。条件として多いのは以下の基準ですが、例えばJAバンク東京では上限が1億円以内となっているなど、その地方ごとで確認が必要です。

  • 団体信用生命共済へ加入
  • 20歳以上66歳未満で、完済時は80歳未満
  • 前年度の年収が200万円以上
  • 勤続年数3年以上
  • 融資額5,000万円以内

また、全国統一されていないという点では金利などの条件も同じで、「うちではこのプランは取り扱っていないよ」といったことも起こり得ます。

ただ、大手銀行に比べ低金利のプランが多く、特に正組合員は審査・金利で様々なメリットがあります。さらに期間限定のキャンペーン等もあるので、定期的に自分に合ったキャンペーンを探してみても良いですね。

メリット・デメリット

メリット

・非営利団体、農協という安心感
JAは非営利団体であり、目的は利益追求ではなく組合員の生活向上としています。できるだけ自分に寄り添ってくれるところから借りたいという心理から、組合員の味方である農協を選ぶ人も多いようです。

・店頭で相談ができる
全国にある店舗にて相談にのってもらうことができ、土日を中心として定期的に相談会も開催されています。対面でじっくり相談したいという人にはうれしいメリットですね。

・3大疾病、9大疾病に備えられる
団体信用生命共済の死亡・後遺障害保険に加えて「がん」「急性心筋梗塞」「脳卒中」という3大疾病に備える「JA三大疾病保障付住宅ローン」も用意されています。3つではなく9つの病気に備える「9大疾病保障付住宅ローン」もあります。

対象と診断されれば残りのローンが0円となる、もしもの時に心強い保障です。

・農業を営む正組合員はよりお得
もし農業を営んでいれば、正組合員としてより多くのメリットを享受できます。よく言われる「審査に通りやすい」「金利優遇が受けられる」といったJAローンのメリットをしっかりと受けることができます。

デメリット

・地域によっては取り扱っていない商品もある
特徴として挙げたように、審査基準や金利・取り扱い商品などが地方ごとに異なります。

目をつけていたJA住宅ローンが近くの店舗で取り扱っていなかった!ということがないよう、「自分が借り入れ予定の店舗の」条件やプラン内容で検討するようにしましょう。

・審査期間が長い
こちらも特徴として挙げましたが、審査期間が比較的長いため、余裕を持ったスケジュールを立てることが必要です。
事前審査・本審査の2段階で行われることを意識し、1か月~1か月半ほど見込んでおきましょう。

・准組合員より正組合員のほうが優遇されている
当たり前といえば当たり前ですが、農業を営む正組合員の方が審査や金利面で優遇されることが多いです。

とはいえ准組合員であっても、金利や保証料など総支払額をトータルで考えてメリットがあるなら、もちろんJA住宅ローンを利用する価値は十分にあるでしょう。

商品概要のピックアップ

プランや金利については地域によって異なりますが、取り扱いの多い定番商品と言えるプランを紹介します。

※一時期には認知度の高かったJA住宅ローン「あんしんプラン」について、金利が安く人気の高いプランでしたが、残念ながら現在は取り扱いされていません。

とくとくプラン

条件を満たせば最大で1パーセント以上、店頭金利から引き下げられる大変にお得なプランです。さらに掛金がJA負担で団体信用生命共済も付いてきます。

プランの種類は「全期間金利引下げタイプ」「当初選択期間のみ金利引下げタイプ」の2種類です。

引き下げ金利幅は店舗や取引内容によって異なりますが、平成31年3月1日現在で言うと、金利引き下げの最大幅は以下のとおりです。

全期間金利引下げタイプ

店頭金利当初適用金利最大引下げ
3年固定金利年2.15%年1.15%店頭金利から最大 年1.00%引下げ
5年固定金利年2.63%年1.60%店頭金利から最大 年1.03%引下げ
10年固定金利年3.36%年2.35%店頭金利から最大 年1.01%引下げ

さらに当初固定金利適用期間終了後も完済時まで、その時点の店頭金利から最大 年1.0%引下げ

当初選択期間のみ金利引下げタイプ

店頭金利当初適用金利最大引下げ
3年固定金利年2.15%年0.60%店頭金利から最大 年1.55%引下げ
5年固定金利年2.63%年0.95%店頭金利から最大 年1.68%引下げ
10年固定金利年3.36%年1.35%店頭金利から最大 年2.01%引下げ

JA三大疾病保障付住宅ローン、9大疾病保障付住宅ローン

団体信用生命共済の死亡・後遺障害保険に加えて以下の疾病に備えることのできるプランです。メリットとして紹介したとおり、対象と診断されれば残りのローンが0円となる、もしもの時に心強い保障です。

対象の疾病

・JA三大疾病保障付住宅ローン
がん、急性心筋梗塞、脳卒中

・9大疾病保障付住宅ローン
がん、急性心筋梗塞、脳卒中、高血圧症、糖尿病、慢性膵炎、肝硬変、慢性腎不全、ウイルス肝炎

条件

その他の条件は、店舗や商品ごとに異なります。

資金使途本人か家族が常時居住する住宅・土地に関する①~③の使い道であること①住宅・中古住宅・宅地(5年以内に新築・居住予定がある)の新築・購入(中古住宅も含む)②住宅の増改築・改装・補修③借り換え
借入金額10万円以上5,000万円まで1万円単位
年齢加入時の年齢が20~50歳
医師の診断借入金額が3,000万円を超える等の場合に必要

段階金利型に強い

店舗によって名称やプランは異なりますが、固定金利の一種である段階金利型のプランについて、一般銀行に比べて強みのある商品をより多く取り扱っています。

段階金利型は金利があらかじめ2段階以上設定されており、「当初10年はこの金利、11年目以降はこの金利」というように所定の期間で金利が変わるプランです。

JAではこの段階金利型に力を入れているため、もしこのタイプの商品を探している場合、近くのJAバンクで探してみましょう。