防衛省と聞くとあまり身近な存在ではないかもしれませんが、先日、自衛隊に関する物品のせり売り(オークション)が行われたことを知っていますか?
防衛省は財源確保を目的に、自衛隊で不要になった物品のオークションを7月26日に開催しました。
このような試みは防衛省で初とのことです。
参考動画:「防衛省が初オークションを開催、不要装備品を売って予算確保」(TBS NEWS)
私はオークション開催後にニュースで知ったのですが、出品リストにはなかなかマニアックなものもあったようです。
筆者自身は自衛隊ファンでも、軍事マニアでもなく、この記事を読んでいる方々もそのような人が多いのではないのでしょうか?
ただ、通常であれば手に入らないものを入手できるという興奮は理解できますよね。
それに、出品されたものの一覧や落札価格を見ていると、「これにこんな価格が付くんだ〜」、「確かにこれは家に置いてもカッコ良いかも!」という発見、楽しみもあります。
一体どのようなものが防衛省のオークションで出品されたのでしょうか?
目次
防衛省がはじめてのオークションを開催!
防衛省は2020年7月26日に、これまでは処分、廃棄物として売却されていた不要物品をオークションにかけることで財源確保を目指すという新しい試みを実施しました。
オークションの開催が発表されたのは7月3日で、参加希望者は事前に往復はがきで申し込みを行います。
発表によれば、募集人員は450名に対して応募総数は590名。
予定の募集人員を超えたため抽選が実施され、当選者に郵送される「参加通知書」の他に、身分証明書、印鑑などを当日持参して参加するという流れです。
オークション会場は防衛省本省(東京都新宿区)でしたが、新型コロナの影響もあり、東京都外からの参加は自粛するように呼びかけられました。
当日は当選者のうち180名弱が実際に会場を訪れせりに参加したとのことです。(当日はマスク着用、検温などの対策も取られました。)
参考動画:「自衛隊装備のオークション 66万円で落札も 約40点出品」(FNNプライムオンライン)
今回のオークションでは、司会者が価格を徐々に上げていき、入札希望者は手元の番号札を上げることで入札を行います。
私はネットオークションくらいで、実際のオークションに参加した経験はないのですが、やはりその場にいないと分からない緊張感があるようですね。
実際にオークションに参加した人のインタビューを聞くと、「入札の札を上げる手が震えた」という声もあったくらいです。
中には落札したことを「家族へは事後報告する」という方もいて、この後、怒られなかったか心配です。(怒られそうな予感しかしませんが…)
どうしても一般から見ると、自衛隊の不要物品はマニアックに思えるため、落札価格によっては周りから理解を得るのがとても難しそうですね。
ただ、練習艦「やまゆき」の舷門表札などを落札し、事後報告と仰っていた方は元乗組員で、「資金が十分にあればやまゆきの全部が欲しかった」ともインタビューで答えていました。
自衛隊オークションでどんなものが出品されたの?
それでは、防衛省がはじめて開催したオークションでは、いったいどのようなものが出品されたのでしょうか?
防衛装備庁の「不要物品の「せり売り」参加の手引き」から一部を抜粋して紹介します。(出品リストもこの手引きで確認できます。)
- 弾帯及び弾入れ
- 水筒及び飯ごう
- 陸上自衛官の部隊章セット
- 練習艦「やまゆき」の関連物品(舷門表札、操舵輪など)
- 試作機の操縦桿
- パイロット関連用品
すでにオークションは終了していますが、どのようなものが出品されたのか知りたい方は、参加の手引きを見てください。
このうち、もっとも高い落札価格となったのはパイロットのヘルメット、酸素マスクなどのセットで66万円(開始価格3万円)で落札されました。
出品リストを見て個人的に惹かれたのは、陸上自衛官が制服に着用していた部隊章、練習艦「やまゆき」の水晶時計、輸送機「C-1」の非常用電灯ですね。
あと、見るからにカッコ良いのは「やまゆき」の操舵輪などで、人気があったのではないかと勝手に予想しています。
部隊章は20万円(開始価格3千円)、水晶時計は45万円(開始価格1万円)、非常用電灯は17万円(開始価格5千円)、操舵輪は52万円(開始価格2万円)でそれぞれ落札されました。(どれも高額で、もしオークションに参加したとしても手が出ません!)
ちなみに、もっとも落札価格が低かったのは戦車乗組員が着用する戦闘靴で、それでも落札価格は4万円(開始価格は3千円)です。
およそ20品のオークションで、売却価格の合計は5,818,000円となりました。
開始価格の合計は17万円なので、結果としては30倍以上の価格が付き、この売り上げは国庫に納められることになります。
それぞれの落札結果は防衛省のお知らせ(不要物品の「せり売り」の結果について)で確認できるので、参考開始価格と実際の売却価格を比べてみるのも面白いかもしれませんね。
河野太郎防衛相はF35、1機分の収益を目指すと発表
前述の通り、今回のオークション開催は防衛省が独自で予算を確保することが目的です。
もちろん、防衛省全体の予算を考えれば、オークションのおよそ581万円は微々たるものでしょう。
ですが、河野太郎防衛相は「思っていた以上の金額になった」と一定の評価をしています。
また、河野大臣はオークションなどの試みを重ねることで、アメリカの最新鋭戦闘機F35、1機分に相当する収益を目指したいという旨の発言もしています。
そのF35が1機いくらなのかというと、なんと100億円!
今回の落札合計金額のおよそ2,000倍、同じようなオークションを2,000回も開催してようやく1機分になるのです。
なかなか気の遠くなるような話ですね。
ただ、今回はあくまでも実験的な試みであり、今後はインターネットでオークションを開催する可能性もあると防衛省はしています。
「もともとは税金なのに、また国民に売るのはどうなの?」という意見もあるようですが、防衛省という1つの省が独自に予算を確保するための試みとしては良かったと思います。
それに、本来は処分されていたようなものに値段が付くのも面白いですよね。
熱いファンがいそうな自衛隊の不用品は高値が付くと予想できますが、このような取り組みが他の省庁にも広がれば、意外なものが高額で落札されるなんてこともあるかもしれません。
特にインターネットオークションならより多くの人が参加できるため、「多少、お金をかけても落札したい!」という人が現れる可能性も高いでしょう。
【まとめ】防衛省初のオークション!実験的な試みとしては成功の印象
防衛省初の試みである、自衛隊の不要物品オークションを紹介しました。
◯◯省や△△庁と聞くとお堅い印象がありますが、色々な試みを行っているのですね。
もし「オークション興味あったのに知らなかった〜」という方がいたなら、今後、インターネットで第2回が開催されることを期待しましょう。
もちろん、今回1回の収益だけでは目標とする100億円に遠く及ばないので、近いうちに2回目、3回目が行われるかもしれません。
河野大臣もオークションの成果に一定の評価を示しているため、今回の1回のみで終わらない可能性は十分にあります。
自衛隊に関するものには危険なもの、機密事項が含まれるものもあると思うので、処分するからといって何でもかんでもオークションにかけるわけにはいきません。
それでも、今回のオークションは自衛隊ファンや軍事マニアにとってはかなり貴重な機会でしたし、防衛省という少しとっつきにくい公的機関の取り組みについて興味を持った人が1人でもいたなら意味があったのではないかと私は思います。
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