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住宅ローンの基礎知識

うつ病だと住宅ローンを組めないって本当?うつ病になったらチェックすべきこととは?

告知義務の内容とは?

住宅ローンそのものは収入が安定していれば問題なく金融機関内での審査に通るかもしれません。

しかし大半の民間金融機関では団体信用生命保険への加入が必須条件になるので、うつ病で保険に加入できないと審査に落ちる可能性が高いです。

保険の告知内容は保険会社や種類によって違うかもしれませんが、3か月以内に医師の投薬や治療(指示や指導を含む)を受けていれば告知する必要があります。

告知義務のある疾患は保険会社によって違いますが、過去3年以内にうつ病や自律神経失調症だけでなく心疾患・喘息等で2週間以上に渡って治療を受けたかどうかチェックが必要です。

正直に告知すると保険に加入できないしローンの借り入れができないからと「異常なし・病歴なし」とすれば、告知義務違反になり保険金が支払われずローンの全額返済を請求されます。

被保険者に万が一のことが起こり保険金が支払われないと残された家族に全ての負担が課される可能性が大です。

今まで支払った保険料も返金されませんので、絶対にしてはいけない行為であると心掛けます。

うつ病は既に過去の病歴だったとしても告知が必要な期間内であれば、金融機関のローン担当者に相談してみましょう。

団体信用生命保険への加入ができなくても今までの取引額の大きさなど付き合い方次第では住宅ローンの借入ができるケースもあります。

収入や担保、発症前に加入した生命保険などで、万が一の場合でも支払いが可能な条件を準備しておくとよいです。

掲示した条件次第で金融機関も「前向きに検討」してくれる可能性も高まります。

団信に加入できない場合はどうする?

大半の民間金融機関では団体信用生命保険に加入することが必須ですが、公庫融資や財形融資の「フラット35」では団信への加入が任意になります。

任意加入であれば持病やうつ病などの精神疾患があって保険の加入ができなくても借り入れが可能です。

また「ワイド団信」と呼ばれる加入条件の緩やかな団体信用生命保険タイプを採用している金融機関がありますので、収入面では全く問題がないのに団信に加入できなかった場合は相談してみるのもよいかもしれません。

但し保険料が通常の団体信用生命保険を採用している場合より若干高めに設定されているので金利を比較することを忘れないようにします。

「フラット35」など団信への加入が任意の住宅ローンを選択をした場合は、借主に万が一のことがあったときにどう対処するのか、支払い方法に関して確認が必要です。

発症前に加入した他の保険で支払いが可能か、住宅を担保として利用できるかなど、いろいろなパターンを想定してシミュレーションしてみるとよいです。

ローンを確実に支払える手配だけで十分で、ローン全額を一気に支払う必要はなく長期的な視野で考慮します。

他の方法として、配偶者も働いている場合は配偶者の名義で住宅ローンを組めるかどうかも、相談して確認することが大事です。

うつ病になった本人が借入できなくても、他の家族の収入で問題なく組めるかどうかチェックしておきます。

家族の負担をどれだけ減らせるのかも大事なポイントです。

意外と夫婦共有名義でローンを組むケースは多く、連帯債務にすることで持ち分の割合に応じてそれぞれで住宅ローン控除を受けることができます。

ワイド団信ってどんな保険なの?

うつ病に限らず糖尿病や高血圧も告知義務疾患になり、通常の団体信用生命保険への加入は難しいかもしれません。

そこで救世主となるのがワイド団信ですが正式名称が「引き受け条件緩和型団体信用生命保険」になり一部の民間金融機関で採用されています。

全ての金融機関で採用されていないので、申し込む金融機関は絞られますが選択肢としては申し分ない数です。

上乗せされる金利は金融機関によって違いますが0.2~1%で採用している金融機関の大半は0.3%になります。

なかには年齢によって上乗せ金利に変化を持たせている金融機関もあり、おおむね80歳の誕生日を年齢制限の上限と設定されている所が大半です。

告知義務が必要な疾患はがんだけのケースが多く、うつ病患者でも収入が安定していれば加入できます。

上乗せ金利の0.3%を多いと感じるかもしれませんが、0.3%分を保険料と考えて計算してみても単独で生命保険に加入するよりも割安な金額です。

うつ病患者が資金計画を立てる上で大事なことは、いろいろなパターンを検討することになります。

団信に入れないことは想定内として、ワイド団信又は団信には任意で加入する公庫を利用するかどうか最初に考えましょう。

任意で加入するタイプを選ぶなら、万が一に備えた人生設計プランもキチンと作成しなければいけません。

単独で加入条件の緩やかな生命保険に加入することも視野に入れます。
借入金額を減らしたり借入期間を短くするなどの作戦も有効です。

いろいろな状況を想定して人生設計を行うことで安心して家を建てることができます。

うつ病だからと諦めずにさまざまな作戦を練ってみてはどうでしょうか?方法は意外とたくさんあります。