目次
担保評価について
担保評価額とは
住宅ローンの担保評価額とは、万が一お金が返せなくなった時に返済額に充てられる「担保」つまり住宅の売却金額を予想した金額です。
少し難しく言うと、銀行が抵当権を行使して不動産を競売にかけた際の、回収金額を予想しています。
銀行がその万が一のために、「この家ならこの額は回収できる」という判断をし、そのまま借入金額の上限にしている場合もあるようです。
担保評価方法について
上記のとおり、担保評価額は住宅ローンの借入額に影響してくる額になります。
「なんで担保評価がこんなに低いんだろう?」
「担保評価を高くしてほしい!何か方法はあるかな?」
こんな疑問が出てくるのも当然ですね。
その担保評価の方法ですが、住宅の種類や銀行によってさまざまな方法をとっているようです。一つに決まっているわけではありません。
とはいえ、例えば土地は「路線価」に70パーセントといった掛け値をかけるだけ、という単純計算をしている銀行も少なくないようです。
※「路線価」:国税庁がホームページで公開している土地の評価額
算出方法は決まっておらず、しかもずいぶん機械的な算出方法もあるようですね。
ですが、「この条件だと評価額は低くなる・高くなる」という傾向もあり、この記事ではこちらをメインに紹介していきます。
うまく利用すれば、評価額を上げることもできるかもしれません。
評価額に影響する条件
評価が下がる傾向のある条件
- 土地に借地権が付いている
- 建築基準法に従い検査済証の交付を受けていない
- 接道面が狭い
借地権が付いている場合、建物所有者とは別に土地所有者として地主がいることとなるため、担保価値は低くなります。いちおう担保価値の計算では、建物だけでなく借地権付き土地の分も計算されるようです。ですが、手続きが煩雑でしかも価値が低く見られる借地権付きの物件のため、競売では人気が出ないだろうという見通しになります。
銀行にもよりますが、たいていの場合厳しい評価となり、中には担保評価ゼロとして住宅ローンの対象外とされてしまうこともあります。
また、現在の法律に適合しているかどうかも評価に影響します。以前は適合していても「現在の建築基準法に適合しているかどうか」が焦点になるので注意が必要です。
さらに、道路に面している「接道面」が狭くても、担保評価を下げる対象となってしまいます。
ただこれに関しては、逆に接道面が広いと担保評価が上がる可能性もあるので、道路に広く面している人にとってはうれしい基準になるかもしれません。
評価が上がる傾向のある条件
- リフォーム済み
- 商業地域など土地活用の可能性が高い
- 鑑定評価を依頼
リフォーム済み、または商業地域など土地活用の可能性が高い場合も、評価が上がることが多いようです。
特にリフォームに関しては、担保評価額にリフォーム資金の一部を加算すると明言している銀行もあるほどです。リフォーム済みまたはリフォーム予定がある場合は、そのような対応をしている銀行を選ぶと良いでしょう。
鑑定評価については、国家資格の「不動産鑑定士」資格を持った人に依頼した評価のことで、多くの場合信ぴょう性の高い評価として扱われます。しかも鑑定士には報酬を支払う代わりに、できるだけ依頼者に寄り添った形で評価してもらうことができます。
最終的には銀行がどう扱うかにかかってきますが、先ほど書いたように信ぴょう性の高い評価として重視される傾向にあるので、検討する価値は十分にあるでしょう。
実は担保評価が重視されないことも多い?
ここにきて衝撃の見出しが出てきましたが、実は担保評価が重視されないことも十分あり得ます。
はじめに紹介したとおり、担保評価方法はさまざまと言っても例えば土地は「路線価」に70%といった掛け値をかけるだけ、などあまり計算に手間をかけない銀行も少なくありません。
スピーディな手続きができるとはいえ、軽視しすぎでは?というような気もしてくるような評価方法です。評価される側としてはもう少しじっくり考えてほしい気もしますね。
なぜそんな評価方法がとられるのか。理由は「年月で下がっていく担保評価を銀行もあまり信用していない」からです。
銀行自身が算出した評価ではありますが、いざ競売にかけるときには残りの返済額に見合わない場合も十分あり得ます。さらに、返済不能状態になる確率は0.4%と言われています。
そのような信用性も使用発生確率も低い担保評価に手間をかけるのは、あまり効率が良いとは言えません。だから銀行はできるだけ手間をかけず、機械的に済ませようとする場合が多いのです。
最終的に人物評価が高ければ信用される
担保評価を重視しないのであればどこを見ているのでしょうか。最終的には「信用のおける人物か?」「返済能力があるか?」といった「人物評価」に重点が置かれます。
具体的にはこれまでローン返済の延滞等をしていないか、どのような職業で所属しているのはどんな会社か、といった観点になります。
「この記事は担保評価の記事なのに?」と言われると申し訳ない気持ちになるのですが、実際、担保評価に力を入れない銀行も多いことは知っておいた方が良いかもしれません。
結果として、人物評価が高ければ担保評価より高い金額で、住宅ローンを組むことも可能になります。逆に人物評価が低ければ担保価値を重視され、銀行にとって安全度の高い金額までしか借りることができないかもしれません。
もちろんこの記事に書いた「担保評価に影響する条件」を知っておけば、それを利用して評価を上げることもできると思います。
それでもどうしても担保評価が低い物件でも、人物評価が高ければ銀行はそちらを優先して融資してくれる場合が多い、ということも覚えておきましょう!